ホーム > 特集・メディア > 2005年8月

ホールセキュリティ本番 (2005年8月)

解明が求められる電波発射機ゴト

古典的なピアノ線やセルはもとより最近の体感器まで不正動作は 注意深く見れば確認できる。 だが、電波ゴトは目に見えない電波を発射するだけにやっかいだ。 今月は、同じ電波ゴトを2度繰り返して2度とも捕まったゴト師を 紹介しながら、まだまだ対策が後手に回ることを余儀なく されている電波ゴトの現状を考える。

ボタンを押すだけでハネが全開に

 今月は「アクアパラダイス」専用の電波発射機などを使用した男の話です。なんとこの男、1度捕まったのにもかかわらず、再び同じ手口で電波発射機ゴトを働いて捕まった懲りないゴト師です。  この男が最初に捕まったのは3月10日のこと。場所は大阪のA警察署管内の某ホールです。この時のターゲットは、SANKYO製の「アクアパラダイス」でした。詳細は後述しますが、頂いた鑑定依頼書には「アクアパラダイス」“専用”と記載されていました。正直なところ、“専用”ということがにわかには信じられませんでしたが、時間をかけてテストを繰り返し、なぜ“専用“電波発射機なのかというところまで突き止めましたが、残念ながら証拠不十分で不起訴処分となってしまいました。

 ところがです。この男は1カ月ほど後の4月13日に、今度はやはり大阪のB警察署管内のホールで、似たような電波発射機を使い、今度は同じメーカーの「キングスター」を狙い捕まったのです。B警察署の担当刑事さんの話では、この男は電波発射機を2台(計25万円)も買っていたということです。

「アクアパラダイス」の時には弊社でテストを繰り返しても、なかなか大当たりをかけることが出来ずかなり苦労したのですが、今度は大当たりを取ることに成功しました(キングスターが弊社にないので、マジカルカーペットでテスト)。 というより、遊技機の近くで発射ボタンを押しさえすれば、だれがやっても簡単にハネが動き出し、いやでも大当たりとなるので、同席した刑事さんもびっくりしていました。この被疑者ですが刑事さんの話では、取り調べ室では素直に自供するそうですが、検事さんの前になると前言を翻し「パチンコなんか偶然にかかるもので、電波発射機などで大当たりをかけたのではない」と、うその供述をするそうです。担当刑事さんは「今度こそ絶対に逃さないぞ」と意気込んでいました。

身体にも悪影響を与えかねない協力電波

 一度に2台の電波発射機を購入していたとは驚きですが、この事件が示すように、こういう輩の再犯率はかなり高いものと思われます。それも、今回のように不起訴になることが多いとなおさらです。ホール側はある意味なめられているわけですので、根負けすることなく、こういう輩を徹底して捕まえ、何回でも警察につきだし、刑事責任を追及する姿勢を見せる必要があると思います。

 ところで、この2台の電波発射機はいずれもすでに警察に返却してありますが、最初のタイプも2台目のタイプも見た目にはほとんど変わりありません。

 しかし、1台目のタイプは被疑者もそう供述し、警察の調書にも「アクアパラダイス」専用であると書かれていますが、なぜ“専用”なのか弊社も非常に興味を持ちました。幸いにもA警察署から鑑定のために弊社に届いた時にも無事作動させることが出来ました(弊社に持ちこまれるものの半分ぐらいは壊された後なのです)ので、早速いつも懇意にしてもらっているホールへ持って行き、テストを繰り返しました。

 余談ですが、電波発射機テストはちょっと長くやると電磁波の影響からか気分が悪くなります。どういう症状かというと、経験した方はわかると思いますが、頭のてっぺんから背中の真ん中あたりにかけてジワーと脂汗がでてきます。これだけでもいかに体に悪いかがわかります。テストをする側にとっても命がけです。ちなみに、弊社の事務所内でスイッチを押したところ事務所内のパソコンが全てダウンしてしまうほど強い電波でした(弊社の測定器があいにく故障中のため詳細を計れませんでした)。

 当然ながら、これを使うゴト師は身体への悪影響を自覚していない場合は別でしょうが、命がけでやるわけです。これは本人が欲と引き替えですからそれはそれで仕方がないことになります。しかしながら、たまったものではないのがその近くで知らずに打っている一般のお客様です。全く関係がないのに知らず知らずのうちに身体に悪影響を受けていることですから、全く迷惑な話です。

「アクア」専用はセンター役モノ誤作動

 さて、本題に入りテスト内容ですが、初めは通常ゲーム中に電波を発射しましたが何も起こりませんでした。他の同メーカー機種である「マジカルカーペット」や「キングスター」でやっても同じでした。2時間ほどテストを繰り返し、初めて「アクアパラダイス」独自のセンター役モノを誤作動させることがわかったのです。これでようやく“専用”という意味が理解することができました。2台目のタイプは前述したように、形状的にはほとんど変わることがないのですが、「マジカルカーペット」も「キングスター」もハンドルのあたりで電波を飛ばすことで簡単にハネが動き出しました。2台はそれぞれ何が違うのか、また、実際に何に反応しているのか残念ながら証拠品であるため、弊社が預かる時間に限りがあり徹底的な調査が出来ていません。

 最近の事例では「吉宗」が電波でやられていますが、詳細がわかっていません。電波ゴトは昔から存在しますが、完全な防御対策ができていません。これはゴト用の電波発射機が入手しにくいため、検証ができていないということが大きな理由の一つです。今回でもせっかく手に入りにくい電波発射機が2台も警察にあるわけですので、これを調査すれば同様の電波ゴトの再発防止が可能です。払い下げは無理としても、捜査終了後にでもテスト用に貸し出してもらえれば今後のゴト対策に大いに役立つはずですから、何とか警察と交渉を考えています。