ホーム > 特集・メディア > 2006年10月

ゴト現場24時 (2006年10月)

釘曲げゴトがまた・・・

少年による最近の犯罪は驚きの一語に尽きます。
医者で厳格な父親への反発から、家族の就寝中に放火し、焼け死なせた事件。友達に自分の母親殺しを30万円で依頼した事件。学校の研究室で同級生を殺した事件。いずれも家族や親、知り合いをいとも簡単に殺したものです。

幼児のときから親しんでいるテレビゲームの影響だとの指摘があります。ゲームでは人を殺してもリセットすれば、すぐに生き返ります。脳がまだ大人になっていない成長段階でこうした体験を繰り返すと、現実の人間関係においてもその感覚が残ってしまうというのです。ゲームの犯罪への影響に関しては因果関係がはっきりしないなどと反論もあるようですが私には十分に納得できるものです。一定の年齢に達するまではテレビゲームをさせないなど、国レベルでの取り決めが必要な時期ではないでしょうか。

閑話休題。わがP業界ではホールから吉宗が完全に姿を消し、これでゴトも少しは減るのではと、淡い期待を抱いていましたが、実際にはまったくそんなことはありませんでした。今回は久しぶりに、最近発生・表面化したいくつかのゴト事例の中から、特に注意すべきものを何点か取り上げます。

一番はなんと言っても釘曲げゴトという古典的な手口です。

  • イ、前面枠左のちょうつがい側を浮かしピアノ線を通す手ロ
  • ロ、ドアキーをこじ開けてガラス枠を開いて釘を直接曲げる手ロ
  • ハ、前面枠に穴を開けてそこからピアノ線を突っ込み、釘に引っ掛けて曲げるという手口

このように方法は一通りではありません。穴開けはドリルを使う場合もありますが、ホームセンターで売られている携帯型の半田ゴテを使う手口がほとんど。これは20世紀の花形材料である、プラスチックという熱に弱い材料を使わざるを得ない、遊技機の最大の欠点をついた手口だといえます。

弊社で廃パチンコ台を使って携帯型の半田ゴテによる穴開け実験をしたところ、1秒足らずで穴が開きました。ちなみに半田ゴテは、長さが約15センチ、太さが約2センチ。そで口などに忍ばせると、発見はまず無理でしょう。

対策については、穴を開けられそうな個所の裏側に鉄板を当てるほかないでしょうが、その場合、所轄への相談は忘れずに.メーカーから対策部品が出ている機種もあるので、確認してみてください。

次に、営業中に遊技台を開け、メーン基板前面を切り抜いてのロム交換や、大都の「押忍!番長」などでの基板やロム交換も目立っています。夜中に壁をやぶって裏側から狙う手口もまだ頻発しているので十分な注意が必要です。

A-NET情報の中で意外と表に出てこないのが大海物語やエヴァンゲリオンなどの基板交換です。実はこうした事例のほとんどが内部犯行。そのため、A-NETなどへ報告されるケースが少なく、表面化しにくいものと思われます。また、この2機種の事例で使用される基板は非常に精巧で、一度付けられてしまうとホールスタッフによる発見は困難です。

内部犯行によるゴトでは、ホールの被害規模が格段に大きくなります。ゴト師が仕掛ける場合、被害台数は1台か2台程度。これでも少なくない被害が出るでしょうが、内部犯行の場合には、被害台数は8台とか10台と、大きく増えてしまいます。ホール側が外部的なゴトに対して以前より数段警戒が強くなり、対策も進んでいるため、内部の人間を取り込んだ形でのゴトが今後ますます増えると思われます。今一度、社内体制を見直してみる必要がありそうです。