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ゴト現場24時 (2006年5月)

偽造チップは必ず判別できます

 前号でも触れた民主党の「偽メール」事件は、とうとう前原誠司代表ら執行部の総退陣、永田寿康衆院議員の議員辞職で幕引きという結末に落ち着きそうです。それにしても執行部の決断は遅きに失しました。決断の遅さが国民生活に密接な関係を持つ重要法案の質疑まで民主党を及び腰にさせ、前半の国会審議にも打撃を与えてしまいました。民主党執行部も永田議員も情報の取り扱いにはいかに繊細な手つきが必要であるか、身にしみて感じたことでしょう。他山の石としたいところです。

 さて、ガセネタはわがP業界にもブンブンとうなりをあげて飛び交っています。一部の知ったかぶりをする人間が裏付けもないまま、あちらこちらで怪しげな情報を吹聴することから始まるわけですが、まさに「講談師見てきたようなうそを言い」です。しゃべるだけでは飽きたらず、臆面もなく活字にして業界誌などに掲載してしまうこともあり、そうなるともう取り返しはつきません。完全に証拠を残すことになるからです。まさに前号の「墓穴を掘る」です。

 今だから書きます。2003年頃、いわゆるV2から始まったエルイーテック製偽造チップに関して「LE2080の偽造チップはレントゲンでも判別ができない」ということを言い出した人がいました。ところが、それをそのままある業界誌に発表した某セキュリティー会社関係者がいたのです。ホールの人間ならいざ知らず、仮にもセキュリティー会社を名乗るのであれば、資料やデータをきちんとそろえて確証を得てからものを言うべきです。P業界では裏付けのない不確かな情報でホールが踊らされることが多分にあります。ホールをそんな目にあわせないためにも情報を出す際にはよほど慎重に構える必要があるのです。

 断言します。偽造、模造、あるいは変造チップである限り、レントゲン検査で判別できないものはありません。もし、判別できないものがあるという方がいらっしゃるなら、それを弊社にお持ち下さい。必ず判別いたします。現在弊社は10種類以上のV2からV4に至るまでの偽造チップの現物や、ホール現場などで弊社がレントゲンにかけた偽造チップのデータを相当数保有していますが、真贋の判別ができなかったものは皆無です。どんなに巧妙に偽造したものでもやはり偽モノは偽モノでしかないのです。

 以前も書いたようにチップのパターンだけを比較した場合、ほとんど判別できないくらい、偽造が精巧になっているのは事実です。しかし、判別方法はチップのパターンからだけではありません。それが何なのかは不正改造をする連中にこちらの手のうちを明かすことにもなりかねないのでここでは公表できません。しかしながら、近い将来本誌の読者の方々には納得していただけることをお伝えしたいと思っています。

 2003年頃にいい加減な情報が飛び交った際にも、弊社の顧客や一部の親しい方々にはレントゲンで偽造チップを判別できることはきちんと説明し、ご理解いただいていましたが、ずいぶん歯がゆい思いもしました。しかし、この5月にホール営業者にとっての金科玉条である改正風適法が施行されます。警察庁もそれにあわせて不正機に対して厳しい姿勢で臨むことが予想され、さすがにホールからは「Bモノ」が極端に減ってきたようです。その上、エルイー社の次のV4は表面的な印字だけでなく、さまざまな仕掛けがあるため偽造は不可能に近いくらいに難しくなっています。単にレントゲンをかわすために内部パターンを似せただけの偽造品では、流通そのものが不可能という環境が実現しつつあり、それならもうお話してもいいかと、偽造チップはレントゲン検査で必ず判別できるということをいまさらながらお伝えした次第です。