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ゴト現場24時 (2007年7月)

ゴト事件裁判で検事が奮闘

先日、2009年に始まる裁判 員制度の予行演習として、模 擬裁判が実施されたことが報道され ていました。裁判員に選任される確 率は低いと思いますが、選ばれた場 合、毎回仕事を休んで参加しなくて はならず、負担は小さくありません。 また、どのような判決を出せばよい のか、悩みそうです。もしそれが、 ゴト事件裁判であれば、私もしっか りと証拠を調べた上で厳正に判断で きそうです。ただ、当面裁判員裁判 の対象となる事件は殺人や傷害致死 などの重大な犯罪だそうですから、 窃盗罪などのゴト師に有罪判決を下 す機会はあまりなさそうですね。

先日、ある裁判所で公判を傍聴し てきました。恥ずかしいのですが、 生まれて初めての経験です。弊社が 捜査に少し.こ協力した経緯もあって 傍聴を決めました。

現地に到着して、裁判所の建物の 重厚さにちょっと戸惑いながら、思 い切って入館しました。「傍聴席へ の入室は自由です」という案内板が あり、ほっとしました。部下と2人 で行ったのですが、実は2人とも傍 聴には手続きがいるものと思ってい たのです。

さて、肝心の公判の内容ですが、 「吉宗」が存命中に発生した体感器 ゴト事件です。当時「ナビ太」とい う吉宗専用のゴト器具が大流行して いたのは記憶に新しいと思います。 今回の被告もあるホールでこれを使 用、大当たりを連チャンさせたとこ ろで、ホールスタッフが警察に通報 して逮捕されました。

事件の発生は一昨年9月ですから、 もうすぐ2年になります。この手の 裁判としてはかなり長期化していま す。というのも、被告側は、「ナビ 太」を使用しての遊技には違法性が なく、また、仮に使用しても有効に 感知しない、つまり連チャンなど出 来ないと正面から争う姿勢を示して いるからです。しかも、弁護士を3 人も立てて無罪を主張しています。 ですが、今年4月13日に最高裁で 「パチスロ機に直接影響を与えなく とも、身体に体感器を装着して遊技 すること自体、通常の方法を逸脱す る」という判決が出ています。判決 はさらに「体感器の操作の結果で得 られたものか否かを問わず、体感器 をつけて遊技中に得たメダルについ て、すべて窃盗罪が成立する」とま で踏み込んだ判断を示しており、私 はこの事件もこうした方向で決着す ることを期待しています。

余談ですが、いかめしい顔つきの 裁判官が公判中、ボーナスゲームと か、ジャックゲームという言葉を何 回か使っているのを聞き、驚きまし た。言うまでもなく、吉宗の体感器 には通常ゲーム中に大当たりを直撃 するタイプと、ジャックゲームに突 入してから使用する今回の「ナビ太」 がありました。裁判官はそれらを区 別できているようなのです。

これまで吉宗の体感器ゴトでかな りの数の鑑定を手がけましたが、弊 社を訪れる刑事さんには、吉宗の ゲーム性の説明に多くの時間を割 き、また、鑑定書でもそれをくどい ほど説明してきました。体感器ゴト 事件では、ゲーム性を把握しないと 違法性の立証が混乱しかねないので すが、パチスロをしない人にはゲー ム性の理解が難しいからです。

ところが、今回担当された検事さ んは相当突っ込んで調べ上げた上、 それがきちんと裁判官に伝わるよう に証拠をそろえているようでした。 その努力が裁判官の口から「ボーナ スゲーム」「ジャックゲーム」とい う用語が出てくることにつながった のかと思います。

この裁判は秋ごろに判決が出る見 込みで、それまで傍聴するつもりで す。その結果もぜひここで報告させ ていただきますので、お楽しみに。