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ゴト現場24時 (2007年8月)

なぜ店長は無承認変更したか

開いた口がふさがりません。 社会保険庁の5000万件に上る年金記録漏れのことです。どう考 えても職務怠慢以外の何ものでも ないはずですが、今期のボーナス は満額支給。さすがに国民からの 厳しい視線に耐えられず、自主返 納するといいますが、全額ではな く一部!民間企業でこれだけの不 祥事があれば、ボ書ナスどころか、 会社は倒産です。ほかにも大阪府 枚方市発注工事での官製談合と汚 職事件、コムスンの介護報酬不正請 求、NOVAの返金踏み倒し商法、 ミートホープによる偽装食肉混入 事件など、世は違法行為のオンパ レードです。

テレビなどでは評論家や代議士 から何か事件が起こるたびにこじ つけてたたかれる、わがP業界で すが、昨今はどんな集まりに出席 してもコンプライアンスの重要性 が叫ばれています。まだまだ、そ の取り組みが成功しているとはい えない状況ではありますが、多く の方が確実にまじめに取り組んで いるのは事実です。

さて、そんな中あるホールで大変 残念な事件が起きてしまいました。 遊技機の無承認変更事件です。6カ 月の営業停止処分が言い渡されま した。この事件はいろいろな要素を 含み、全国どのホールにとっても対 岸の火事ではないものと思われま すので、ここで公表された情報をも とに検討してみたいと思います。

最初に申し上げておきたいので すが、今回の事件後にこの企業が 取った行動は立派なものでした。本 誌編集部によると、外部の弁護士 に依頼して間題点を検証したほか、 事件の経緯を文書で公表したそう です。自社の恥はできれば隠してお きたいものですが、このホールを 経営する企業はさらに処分につい てもホームペUジ上で誠実に発表 しました。おかげで多くの人がこ の出来事を他山の石とし、業界全 体を良くしていくための教訓とす ることができるようになりました。 感謝したいと思います。 この企業が公表した文書には次 のようなことが書かれていたとい います。

「○○店において、スロット機『押 忍!番長』のワンベットボタンか らのゴト被害を防止するため、変 更届の手続きをし、ホットボンド にて対策しました。その後この対 策による動作不良が多発し、正規 部品を手続き後、交換することを せず、ベットボタンの通電ピンを はずす行為で処置し、営業をして いました。更に捜査を察知し、正 常な状態に戻すため、近隣店舗で ある○○店のベットボタンと無承 認で交換する行為に及びました」

さて、なぜこんなことをしてし まったのでしょうか。原因はいくつ かあるでしょうが、ここでは3つ に絞って考えてみたいと思います。

まずーつ目ですが、ゴト情報など の収集及び消化不良です。どうやら この店長さんは勘違いで不必要な ゴト対策をしたようです。ゴト情報 の正確な把握と分析ができていな かったことがうかがえます。文書で はホットボンドを使ってワンベット ボタンを固定したとありますが、確 かに以前の吉宗であれば、ワンベッ トボタンを改造して赤外線操作に よる不正行為が可能でした。しか し、「押忍!番長」ではそれはでき ません。また、ワンベットボタンを 外したところで、内部部品を交換す ることはまず不可能です。たぶん、 この店長さんは吉宗のゴト対策が 頭にあったのか、あるいは他機種と 混同してしまったと思われます。

つまり、ホットボンドで固める必 要はまったくなかったのです。ま た、ホットボンドで固めたために動 きが悪くなったというのも、完全 な思い違いで読者の中にもご存知 の方は多数いると思いますが、な ぜかこの「押忍!番長」のワンベッ トボタンはもともと動きが重い台 が多いのです。ちなみに「秘宝伝」 ではそういうことがないようです。

紙数が尽きてしまいましたので、 残りの2つは次号で検証します。