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ゴト現場24時 (2008年5月)

不正基板の見分け方

さて前回は、最近発生しているメイン基板の不正改造(偽造)事案について、いわゆるロムと呼ばれるメインチップ以外のチップの不正改造がほとんどであり、発見がなかなか 難しいということを説明しました。今回はそのことについてもう少し突っ込んで説明したいと思います。

この手口の不正基板を発見するために有効な手段が何であるのか、読者のみなさんはおわかりでしょうか。

まず現行の基板チェッカーでは、残念ながら発見は不可能です。それはメイン基板下側に付いているチェッカー検査用の差し込み口からの到達点がメインチップ(ロム〉のみであるためです。 これはいってみれば当然のことで、すべてのチップの検査が可能な構造にすることは不可能ではないかも知れませんが、膨大なコストがかかることはだれの目にも明らかです。

チェッカーでの判別が出来ないのであれば、どうすればいいのか。実は、レントゲンでの判別が非常に有効です。なぜなら、現在発見されているこの手の不正チップは改造型が主流だからです。 不正基板への改造は、正規チップの裏側を切り抜き、そこに極小の不正チップを埋め込む手口が少なくありません。 この手口ではチップ表面の印字は当然正規のものであるため、印字比較による判別は不可能です。もっとも、違うメーカーのチップを使う場合もありますので、念のため印字比較は必ず行うようにしてください。

不正改造の作業はまず、基板に付いているチップを外すことから始まるはずです。改造後に再装着するわけですが、手作業でのハンダ付けとなるため、どうしても機械付けのようにきれいにはハンダが乗りません。 これまで不正発見の手がかりはそこにあったのですが、最近発見されたものの中には、かなりきれいなハンダ付けをしている基板もありましたので、ハンダだけでは判断しないよう注意してください。 それから、ハンダ部分の確認は基板の表だけではなく、裏側も見る必要があることも付け加えておきます。

順序が逆になりましたが、チップを交換するには基板のカシメ部を開封する作業と、シールをはがす作業も必要です。 どちらの場合でもキズなどの痕跡が残るはずですが、最近は実に丁寧な作業をしているようで、痕跡がほとんど見つかりません。 まれにカシメ部開封の際にわずかなキズが付けられていることがありますので、おかしいと思ったときにはいつもより丁寧な点検を心がけてください。

ちなみに以前は、カシメの支柱を切断して基板を開封する手口が主流であったため、その部分を見ることで不正を発見できることも少なくありませんでした。 ですが、最近の不正改造では支柱切断の手口は使われなくなってきています。ほとんどが特殊な道具を使っての開封か、偽造です。 その不正に加工されたカシメ部と正規のカシメ部の画像を掲載しますので、見比べてみてください。

基板改造などのゴト事案は非常に少なくなっていますが、発見された事例から手口を解析しますと、実に巧妙かつ丁寧にやっていることがわかります。いったん仕込まれてしま うと、ホール現場での発見はかなり難しいといわざるをえません。ホール入荷時は正規であることを前提にした上で、ホール独自に詳細な管理プランを作成する必要があります。