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ゴト現場24時 (2008年8月)

デマを流す人

人を陥れるためのデマや中傷は世の中にあふれています。弊社についてのデマもたまに流されているようです。たいていは笑って済ませているのですが、デマや中傷を流す人間は被害妄想が強いタイプが多いのではないでしょうか。やることがうまくいかないのはすべて他人のせい。しかし、えてしてこういう人は面と向かっては何も言いません。だから、自分のライバルや嫌いな人に対していやがらせを画策するのです。彼らはいかにも情報通のような顔をして、まるで現場に居合わせたような話をします。一方で、第三者を装うため、しばしば話の最後に「…らしい」と付け加えるのです。

わが業界内ではデマを流されるホールは、必ずといっていいほどその地域の強豪店です。弱い店にはそんな話は出てきません。そしてデマの内容の多くが"遠隔装置"です。

ある先輩から約1カ月ぶりに電話がありました。ひと通り世間話を終えた後、先輩がこんな話を始めたのです。

「南光さん、うちに出入りしているスロットの中古業者Aから聞いた話だが、ホールをチェーン展開しているB社のC県内のD市にある店舗が1週間ほど前に警察に踏み込まれ、遠隔装置を発見されたそうだ。あわてたB社が地元県警に太いパイプがある自社の顧問弁護士に『なんとか、ならないだろうか』と泣きついたところ、弁護士は知り合いの県警幹部OBのE氏に話を持っていった。E氏は1000万円の金の準備を示唆、その金で県警と話をつけて事なきを得たらしい。この情報を教えてくれた業者Aは、その会社にも入り込んでいるので間違いないと思う」

聞きながら私の中にむくむくと疑問がわき上がってきました。そこで少し調べてみたのです。

B社は二つの県で約10店舗を経営。どのホールもよく客を入れています。私はC県の県遊協の知人に電話をかけ、この10日間で警察が動いた形跡があったかを聞いてみました。県遊協の方はあちこちに確認を取って丁寧に調べてくれましたが「警察がどこかのホールに立ち入ったという話は確認できなかった。特にE市については詳細に調べたが、まったくそんな話は耳に入ってこない」といいます。

知り合いの地元業者らにも確認したのですが、だれもその情報を知りません。もちろん、こっそりともみ消した話であれば、知っている人がそうそういないのも当然といえますが、それならなぜ業者Aが知っているのでしょう。いくら出入りしているとはいえ、事実であれば、会社内部のごく一部のものしか知りえない話です。しかも、大切な顧客であるB社に不利な話をべらべらと話しているというのも何か別の意図を勘ぐりたくなります。

そもそも、1000万円で警察がほおかぶりをしたという話はいかにも荒唐無稽(ルビ・こうとうむけい)な感じがします。不届きな1人の担当官がいくばくかのわいろを受け取ったというならまだしも、県警OBを通じた働きかけということであれば、担当官だけでなく、恐らくは担当課長ら署の幹部もまきこんだ組織的な収賄事件ということになってしまいます。犯罪は関係する人間が増えるほど露見する可能性が高くなることは警察官なら百も承知のはず。そんなリスクを犯してまで警察官が大胆な犯罪をしでかすと考えるのは少し現実感に欠けるのではないでしょうか。

結局、真偽については不明のままですが、それにしても業界でメシを食べさせてもらっている人間がこういう話を流すのは自殺行為としかいいようがありません。業界外の人が持つ「パチンコ業界は遠隔装置で好きな客を勝たしているんだろう」といった疑いを助長することにもつながりかねないからです。わが業界にとっても警察にとっても迷惑千万な話ではないでしょうか。