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ゴトと闘う (2010年11月)

グループへの対応を急げ「不正勉強会のまとめ」(下)

毎日、テレビや新聞等でいろんな事件や社会問題等が報道されていますが、その中でも最近特に目 立ったニュースは、なんと一.肖って も検事による証拠晶であるフロッ ピーデイスクの改竄事件ではない でしょうか。この冤罪事件は現在当 最高検が当事者である前田元主任検事と上司2名を取調べ中で、「改竄が故意であったことを報告し た」とする当事者と、「いや、故意 とは聞いていない」とする上司2名 の供述の食い違いを争っています。

私は難しい法律的な解釈はわかりませんが常識的に考えたとき、そもそも故意であったかどうかという問題よりも、押収した記拠品 を改窟してしまったという事実の方がずっと重いものであり、この上司2名が取るべき道は、この事実を知らされた峙点で村木さん事 件はいやでも終了すべきであった のではと思います。

さて世間的ニュースはここまで にして、ここからは前号の続きで ある「ゴトの本質を知る」を進め ていきます。

(6)練習等を重ねる
ゴト器具は改良品で甘デジなどで習熟

●ゴト師側は遊技台やサンド等の小さな欠点や弱点を探し出すと、まずはそれに見合ったゴト器具を作製する。ただし、ほとんどの場合本当の意味の新規開発品ではなく、以前から使用されていたものの改良品が多く、該当する遊技機を使って何回も練習や修正を重ね、不具合等障害を少しずつ修正しながら最良のものに仕上げる。

●少し慣れてきたら監視の甘い低貸玉コーナーや甘デジコーナー等で実践練習をして自信をつけ、4円(20円)コーナーで本格実行に移す。

最近は低貸玉コーナーを併設しているホールが相当数ありますが、元々このコーナーに移設された機種は直前までメインの4円機種であったわけで、低貸玉専用として作られた機種ではなく、監視体制が緩いこのコーナーはゴト師にとって格好の練習台になっているのです。また、甘デジコーナーにおいても同じことが言えます。

私も仕事上時々ホールをのぞくことがあるのですが、これらのホールにおいては低貸王や甘デジコーナーでのスタッフ巡回が低調でした。(写真1)

どんな「グループ」でも同じような行動形態

次に7番日の項目に移ります。ゴト師がホールに来店するとき単独の場合とグループの場合に分かれますが、ここではグループで立店したときのゴト師たちに絞り、多数の実例ビデオ映像から得た牌徴や行動等を記載します。これ広の実例ビデオをよく観祭すると而自いことに気づきます。それは降とんどのゴト師グループが来店叫に同じような行動を取っているhとです。

(7)グループで来店するゴト師の特徴1
壁役必要な仕込ゴト囲み方は3種類に

最近は持ち込み王の場合でもグループで来店することがありますが、グループで来店する場合の多くは、壁役やキャッチ役によって現場を隠す必要がある仕込みゴト手口がほとんどで、壁役による取り囲み方の形態は概ね以下の3種類です。


[1]仕込み台を背中側にして3〜4人で取り囲み着ている服等を広げて隠す。当然、スタッフの引止めを兼ねる見張り役もいる。中国人系はほとんどがこの形で全員が目つきも鋭く、万一発見されスタッフが止めに入った場合は見張り役共々危害を加えることも辞さない。

[2]一仕込み台を前に見て隠す。この場合はさりげなくまるで遊技を見物しているような感じで隠し、このグループの場合凶暴性はほぼない。

[3]一仕込み台の両隣2〜3台を占拠して座り隠す。囲み役も遊技をするふりをするので、ある意味この形は自然である。セルピアノ線ゴト等の仕込みの場合においても用いられる。

これまでの事例の場合ですと、特に凶暴性に注意しなくてはならないのが[1]の中国人系グループがとる背中側に隠す囲み方です。過去には止めに入ったスタッフが逆に取り囲まれ、特殊警棒や刃物で大怪我を負わされた事例も発生しています。実際に咋年の9月ごろに同様の凶悪事件が関西のホールで3件連続発生しスタッフが負傷していますが、このグループは日中の混在チームであったようです。

ちなみに、このグループは3件以外のホールにも現れ仕込みを実行していますが、そのホールでは店、長がいち早く凶悪性を感じとりスタッフに「手を出すな、知らない振りしておけ!」と命令を出したのでグループが仕込んでいる間は手を出さなかったため、暴行行為は起きませんでした。(写真2)

[2]及び[3]はほとんどが日本人グループで、過去の事例においてはあまり凶暴性を発揮したことがありません。ただし、ここ最近は一般的な社会現象においても凶悪事件が多々発生していますので、今後もそうであるということは不明です。

(7)グループで来店するゴト師の特徴2
バラバラに入り囲み素早く仕掛け、去る

次にグループで来店するゴト師の特徴2として集合解散が素早いことが上げられます。まずは3〜4名の壁役が標的台を取り囲みすぐに台キーを開けておく。別に1〜2名のキャッチ役がいてスタッフが標的台に近づけないような環境を作る。おもむろに仕込み役が登場輪の中に入り仕込みを実行、終了後はすぐに散らばる。

この項のトップでも述べましたが、私が確認した仕込みゴトグループの事例動画を見る限り、壁役やキャッチ役等が目立たないように別々の入り口から入場し、標的台を取り囲むとすぐに仕込み役を迎えるという行動パターンは、どの囲み方においてもほとんどの場合共通しているのです。その間の所要峙間もだいたい5〜10秒程度であることも同じです。

(7)グループで来店するゴト師の蒋徴3
役割分担をはっきりつかまらない効果で

●グループで来店するゴト師の形態はさまざまだが、どのグループも役割分担がはっきりしていることだ。

役割を分担する理由はもちろん作業を素早くやるためでもありますが、万、捕まってしまったときに貢任の所在をあやふやにするためでもあります。例えば、先になんらかのゴト器具が仕込まれている遊技台に(打ち子が)座って、その器具を利用して出玉を獲得したとした後に捕まったとしても、「偶然に座っただけ」と言い切られてしまうと、元々打ち子が什込んだわけではないので、証拠が成り立たたないため立件まで持ちこめないわけです。時には(ゴト器具を)什込む者と打ち子は顔さえ知らない場合もあります。

また、こういう時代を象徴するようにどう見ても60歳以上の高齢者でグループを編成している事例もあります。(写真3)

(8)単独でゴト行為のケース
素入がつい磁石でこれはすぐに捕まる

時々、捕まって警察に突き出されているゴト師もいますが、そのほとんどが素人に毛が生えた程度の単独犯です。一例ですが先日あるホールで磁石ゴトをしようとして捕まったにわかゴト師(以下男A)の話を紹介します。

男Aはいつも市で来店するのですが、その日も同様で駐車場に車を駐車後すぐにホールに向かって歩き出しました。するとその駐車場に止めていた別の車から見知らぬ男(以下男B)が降りてきてニコニコしながら男Aを呼び止めました。後でわかったのですが、男BはあちらこちらのP店の駐車場等に出没しているゴト器具の売人だったのです。男Aは早く店内に入りたかったのですが、男Bは実に言葉巧みで話がうまく男Aはついつられてしばらく話し込んでしまったところ、男Bはタバコの箱を手に持ちその説明をしだしました。そのタバコの箱の中には磁右が入っていて購入を勧められたのです。結局男Aは男Bの口車にうまく乗せられその磁石入りのタバコを2万円で買わされてしまったのです。当然男Aは元を早く取り戻したい一心でしたので、ホール入店後様子を伺いながら磁石入りのタバコを取り出しゴトを実行しようと試みましたが、いかんせん練習もしていないにわかゴト師であり態度も挙動不審であったため、すぐにスタッフに気付かれてしまっていたのです。ホールはすぐに所轄に連絡して泳がせておき仲間がいないことを見極め、警察官が到着後モニター室で磁.右を使ったところ確認、男Aはあえなく御用となりました。写真4はそのときの使った磁石と、それを隠していた同じ銘柄のタバコです。

私の知る限り単独犯で捕まった輩の大半はこのような素人に近いものが多く、逆にプロはなかなか捕まっていないとも言えるのです。ホール側としては、ゴト師かな?と思ったときや或いははっきりとわかったときには、仲間がいるのか単独なのかを必ず先に見極めてから対応することが非常に重要です。次に安易に捕まえに行くようなことは絶対にしないで、警察に通報して署員の到着後に捕まえることを守ることです。とは言っても仕込みグループ等の場合は、仕込みが終了してしまえば全員とも退散してしまうため、警察が到着するまで待ってくれることはありませんが、このようなときにはあえて先述のホールのように仕事をさせておき、彼らが引き上げた後すぐに該当台を故障台等として打ち止めにしておき、閉店後等にきちんと点検することが重要と思います。

(9)後何け対策部品への再挑戦
対策品付けて安心し やられるケース多い

●メーカーによる後付け対策部品は、最近比較的短期間(といっても2か月間ほどかかる)配布しているが、ゴト師は対策部品が付いた後すぐに弱点を探し出しゴトを実行してくる。この場合ホールは同じゴトはもうできないと思ってしまうため、逆に実行がやり易くなってしまう。

メーカー出荷の後付け対策部品を装着した後に、再度同じゴト行為をやられたケースはかなり多発しています。それは日本全国同じ部品を装着するので標準化してしまうことから、ゴト師が弱点を見つけやすいからです。この後付け対策部晶装着後のゴト行為に使用されるゴト器具は、before時に使用していたゴト器具をafter後の形状に合わせて変形させているものがほとんどです。写真5=エウレカセブン(サミー)の後付け対策部品を攻略するためのピアノ線ゴト器具。

ホールは後付け対策部品を装着した後も変に安心してしまうことなく、警戒を怠らないことが要求されます。

(10)標準的拡ゴト対象台は2万自以上売れた台
ゴト器具も市場原理で売れない台は分が悪い

●一説には、2万台以上売れている遊技機は必ずゴト対象台になると、言われている。これは全国どこででも同じゴト行為が可能であり、また、同じゴト器具を大量に作ることができるのでコストを下げることができるからだ。

売れている台は当然注意が必須なのですが、逆に売れていない遊技台は同じゴト行為ができる可能性があったとしても、あまり実行してきません。それは需要と供給という市場原理が働くからです。どんなことでもメリットとデメリットがありますが、メーカーや機種によって裏パック等の形状がかなり違っているということは、ゴト師にとってはけっこう厄介な一因にもなっているのです。話が少しずれますが、時々、コスト削減のために全メーカi同じ形状にしては?のご意見が聞かれます。しかし、仮に全メーカー全機種が同じ形状になったとしたとして何か一つゴトが発生した場合、何百万台という遊技台が同じゴト手口をやられるというデメリットもあるわけです。

話を戻しますが、仮に売れている機種と同様のゴト手口が売れていない機種でも可能であったとしても、ゴト器具の形状を売れていない機種のゴトが可能な箇所の形状に合わせる必要があります.、売れていない機種は導入ホールも少なくしかも外れるのも早く、有効なゴト器具が出来上がった頃には使える環境がほとんど消滅している、ということもあるわけです。そういうことから売れ行きの悪い機種では目立ったゴト手口が発生していないのです。

(11)ホールスタッフの抱ぎこみ
ダメージ大きく長い風通しのいい社内に

●大抵のゴト師は内部となんとかグルになれないものかと考えている。それは発見されることも遅れ長い期間稼ぐことが可能となるからだ。

ホール内で内部犯行が発牛すると、被害が大きくなるだけではなく社内が疑心暗鬼になるために、被害金額以上のダメージが残ることになります。オーナーや幹部は社内の風通しを良くしておくことに腐心し、スタッフはホール内外での誘惑が常にあることを白覚しておくことも必要です。

以上、「ゴトの本質を知る」ということで11項目を取り上げてみました。目を向けるところはまだまだ多くあると思いますが、紙面にも限りがありますので今回はここで閉めたいと思います。

■南光国昭■
パチンコパチスロ産業界で、数少ないゴト対策の専門家として多方面で活躍している。株式会社コスモローム研究所相談役、日遊協近畿支部セキュリティー部会顧問、日遊協不正対策勉強会講師。