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ゴトと闘う (2011年1月)

電波発射機の直撃ゴト発生!「海」だけではない拡大に警戒を

「NICHIYOUKYO」愛読の皆さん、明けましておめでとうございます。本年も早々とこのページを開いていただきましたこと、誠にありがとうございます。

最近はありがたいことに業界の会合等やホールヘの訪問時に「原稿、読ませてもらっているよ、がんばってずっと書いてくださいね」と言っていただけることや、また「あんなこともこんなことも書いてほしいな」などの注文を出して頂くことが時々あります。私はとても単純な人間なので、例え外交辞令であったとしてもこういうお言葉は「読んでもらえているんだ、良い原稿を書こう」という向上心の源となるものです。本部から「もういいよ」という声がかからない限り、今年もまたがんばって書いていきたいと思っています。

うわさに上ったゴトは「ほとんど実現」の証明

以前も書いたことがありますが、私が本業としてホールセキュリテイーに関わり出したのは、パチンコ店のホール現場にいたときに防犯部長という役職を任命されてからです。当時はまさに右も左も分からない中、とにかく4店舗分の遊技台1650台を必死で守ったわけですが、そのときはゴトが全盛であった時代であり、当たり前のように徹夜続きでした。それからすでに16年以上が経過したわけですが、その任命以来、ホール現場を卒業してからもホールセキュリティー一本で業務を続けてきたことで、さまざまな不正やゴト行為を経験しそれに対応してきました。その経験上から自分の中に法則のようなものがいくつか出来上がっていて、その一つがセミナーやこれらの原稿等でいつも強調している「ゴト手口は過去の焼きまわし」ということです。今発生しているゴト手口はほとんどが過去のゴト手口の「焼きまわし」で、これは非常に確率の高い結果となっています。

そしてもう一つが「うわさに上がったゴト手口はほとんどが実現している」ということなのです。この確率も非常に高くどこかでうわさとして挙がったゴト手口の実現率は99%以上ではないかと思います。

座るとすぐ大当たり関東に出現も大阪弁

さて、今回も「えっ!」と驚くようなゴト行為が発生中ですが、それが昨年の11月に入ってから降って沸いたように発生確認が取れ出し、いま大騒ぎになっている三洋の「CRスーパー海物語IN沖縄(以下沖縄U)」(写真A)と、同じく「CR大海物語スペシャル(以下大海)」(写真B)シリーズにおける電磁波による大当たり直撃ゴトです。実はこのゴト手口も、大騒ぎになるかなり以前からそれらしいうわさが流れていましたが、前例を覆すことなく残念ながら実例として登場してしまいました。

このゴト行為については、私が確かな情報として初めて聞いたのは昨年11月中旬に東京で開催された会合の席です。そのときに出席していた千葉県のホールセキュリティー担当者が、「弊社の近所のホールにゴト師グループが来店して、沖縄Hで大当たり直撃ゴトをやられました。そのときの録画を見ると、ゴト師集団は4〜5人で、遊技台に座るのは3人ですが、3人とも座るとすぐに大当たりをかけて終了と同時に帰っています」という内容を発表しました。続けて彼は「最初に大当たり直撃ゴトだと分かったのは埼玉のホールで、次に東京を経由して千葉に人りました。いずれの県でも数件回ったようですが、今は消息不明になっています」ということでした。関東のホールで何人かのホールスタッフが彼ら(ゴト師)と話をしているのですが、彼らは一様に「言葉は大阪弁を少しなまったような感じで、乗ってきた車は泉州ナンバーでした」いう報告をしています。ちなみに後で分かったことですが、その2日後ぐらいに大阪に戻ってきて、ゴトを働き数件のホールが被害にあっています。

両手に電波発射機持ち順次に使って即当たり

一連の写真がその被害ホールの事例画像です。ここでの順番としては、大当たりをかける実行役が座るとすぐに、右手に持っているゲタと思われる器具を、遊技台右下側にかまして(写真1)遊技台をわずかに持ち上げる。次に電磁波発射機らしき器具を出来上がったその隙間から挿入した後、今度は左手をスタートセンサーあたりに当てる(写真2)。(これもおそらく電磁波発射機と思われる)この動作後わずかな時間で大当たりが発生、すぐに打ち子(写真4)と替わる(写真3)。監視カメラの位置の関係から実際の録画映像では、斜め撮りとなっているため盤面は正面からは見えていない。しかし、大当たり表示ランプの点滅で大当たり発生が確認できる。

8月初旬、酒席の話で「発射機だけで」のうわさ

ところで私はその会議の帰りの新幹線の中で「どこかで聞いたような話だなあ、あっ、そう言えばなにかにメモしたような覚えがある」と思い出したので、メモ帳を取り出しめくったところ"サンヨウ、電波、オオアタリ直撃"という走り書きが見つかりました。

このメモをいつ書いたのか記憶をたどったところ、記録的な猛暑の真っ只中であった昨年8月初旬であることを思い出しました。業界のある酒席で同席した方が、私に「南光さん、あるところでパチンコの機械に電波発射機を使って大当たりをかけられる、ってことを言っている人問がいるってことを聞いてきたのですが、そんなこと本当にできるのですか?」という質間をしてきましたのですが、そのときに念のためメモッたものです。そのとき私は「いまのノーマルな遊技機では簡単にはできないですよ。ぶら下がり等の有線基板等を仕込んでおけば話は別ですが、いきなり電波だけではねえ。何の機種かはわかりませんか?何か、他のゴト手口と混在して勘違いしているわけではないですよね」と念押ししたのですが、彼は「いや、実は私もこの話を聞いたときに念のため聞きなおしたのですが、電波での大当たりゴトとはっきり言っていました。ただ、何の機種なのか聞くのを忘れていました」という返答でした。

私は「私の経験からですが、過去にもうわさに上がったゴト手口はほとんどが実現していることも確かなので、明日にでも出社してから仲間内に連絡を取って確認してみます」ということで話が終わり、後目自杜のスタッフや、3〜4の同業者に確認したのですが、そのときにはだれもが「うーん、そんなうわさは時々耳にしているけど実際はどうなのかなあ」というあやふやな返事しか返ってきませんでした。その時点では確かな情報を得ることはできなかったため、「単なるうわさだけだったのかな?』ということで終わってしまいその後はすっかり忘れてしまっていたのですが、先ほど紹介した千葉のホールのセキュリティー担当者の言葉で「あれは本当のことだったんだ!」と思いなおした次第です。

詳細についてはまだ解明できない不自然

ところで、この原稿を書いている時点(12月15日)において、この直撃ゴト行為による被害ホールはかなりあるはずなのですが、A-NETに掲載されている件数はたった1件で、それも沖縄Hでのゴト事例だけです。しかしながら明らかに標的になっている機種は先ほど紹介した2機種ですが、弊社に入ってくる情報によると同メーカーの「CRAスーパー海物語IN地中海」等の別機種に加え、他メーカーの数機種においても発牛しているという情報が頻繁に寄せられていて、とどまるところを知りません。

何度も言っていますが、"うわさに挙がったゴトはほとんどが実現している"という法則で考えると現実に他機種においてもこの手のゴト行為が発生しているのかも知れません。実際に私がつい先日ホールから入手したホールコンピューターデータの中においても、「S社のCRE、○○再び」という機種で、確変でもないのに大当たりが連続7回発生していてそのスタート同数が全て一桁台という、明らかに不自然な出方をしているものが存在しています。こういう状況ではあるのですが、全力で調査中でありその詳細等については完全には解明できていません。そのため今回は発生における状況等だけの報告となりますが、どうかそのことをご了承下さい。

参考になる対応2例

さて、この大当たり直撃ゴトですが、皆さんのホールにも現れる確率はかなり高いと思われます。いまのところ、ゴト内容の詳細を解明していないため対策部品等は出来上がっていません。あなたのホールに彼らが来店して、気が付いたときには大量の出玉を獲得されてしまったときに、どう対応すればよいか非常に参考になる例題が2件ありますので、それを紹介しておきます。

「調べる」と時間稼ぎ店長は冷静な対応を

まず、一例目です。彼ら(ゴト師グループ)が千葉県で消息を絶った3日後に大阪のDというホールに現れ、気が付いたときにはやはり大量の出玉を獲得されていました。しかし、店長は冷静な対応をして被害金額を出すことなく解決しました。

以下が店長の上司から聞いたその時のやりとりです。店長「少しおかしな当たりが続いているので少し調べますのでお時間をいただけますか?」打ち子妙とぼけたりごねたりする店長「メーカーにも連絡を入れて確認したいので少し時問がかかるので分かり次第こちらから連絡する形でよろしいですか?」打ち子「いつ分かるねん?」店長「すぐであるか何口後か先になるかは分かりません。またその際にはお金をお返し出来るかどうかも今のところは分かりません。」打ち子「・・・・?」

店長は自分の名刺を渡した上で向こうの連絡先を聞いたところ、名前と住所は意外にきちんと教えてくれました。しかし、住所は愛知県に実在するものですが、細かい番地までの確認はしていないため実際に住んでいるかどうかは不明です。

携帯番号は本人が使い方を今一つ把握してなかった感じがあったため、こちらが操作して番号を表示しました。ちなみに本人はこちらに観光で来ていると、とぼけていました。

店長は最後に「明日、或いは明後日にでもご連絡を下さい」と伝えたのですが、結局発生から約1か月経過した現時点においても連絡はありません。

警察官立会いの下で「交換出来ない」と宣言

個人的には出玉交換拒、舎の対応は2通りに分かれると思います。@今回のように、あくまでゴトや不正の疑いではなく「台がおかしい」という表現で対応する。不正行為をしたという前提ではないので大きな揉め事にはなりにくい⇒ただし最終的には出玉交換をしなければならない可能性は高い。A相手がゴトや不正行為をしたという前提での対応。この場合はボディチェックやゴト器具の確認など相手側ともめる可能性は非常に高いが、こちらがゴト行為に気付いている事を知らせているので後日出玉を取りに来る可能性は低い、と予想される。

今回の件で出玉交換拒否を伝えた時点で、打ち子は「俺が不正やったんか?何やったらボディチェックしてみろや1」と挑発してきたが、店長はこれには一切乗らなかったため、相手側は肩透かしを食らったようです。(ただし後から尾行しましたが…)

次がA-NETに掲載されている事例で、この場合も同じく出墨交換を拒否しています。これも少し紹介しておきます。

掲載文によると、この事例は12月に埼玉県南部で発生したものです。映像で確認した限りでは実行役、打ち子役、見張り役合わせて8名ぐらいで来店しており、6万発の出玉を獲得されています。しかし、警察立会いのもと「交換できない」旨を言い渡し、任意で身分証明の提示を求めたところ相手はこれを拒否し、結局は出玉交換は一切できないままで退散したということですから、被害金額はゼロということでした。また、途中警察官が任意で持ち物検査をしたようですが、当然ながらなにも出てこなかったということです。他店でも撮られている映像においてもそうなのですが、これはたぶん打ち子だけを調べたためで、(大当たりをかける)実行役(リーダーと思われる)だけがそのゴト器具を所持していて、その実行役は大当たりをかけた後すぐに打ち子に席を譲り映像から消えています。おそらくすでに店内には残っていないのではないかと思います。

最後になりますが、このような場合の対応として上記2例はかなり参考になるのではないかと思います。現時点においてはホールが取れる対応として最善の方法であるようです。

■南光国昭■
パチンコパチスロ産業界で、数少ないゴト対策の専門家として多方面で活躍している。株式会社コスモローム研究所相談役、日遊協近畿支部セキュリティー部会顧問、日遊協不正対策勉強会講師。