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セキュリティー温故知新 (10月号)

ゴト師対策としても効果のある駐車場の見回りの継続を

また、パチンコ店の駐車場で痛ましい出来事が起こりました。


パチンコ店駐車場で乳児放置死母親を逮捕
三重・桑名市にあるパチンコ店の駐車場で16日午後、生後5か月の男児を車の中に放置して死亡させたとして、警察は、保護責任者遺棄致死の疑いで、母親で桑名市の無職・佐藤買子容疑者(45)を逮捕した。
警察の調べによると、佐藤容疑者は16日午後5時20分頃、桑名市内のパチンコ店の駐車場で、生後5か月の長男を約3時間、車の中に放置し、死亡させた疑いが持たれている。佐藤容疑者の夫(47)から「妻と子供が家にいない」と警察に連絡があり、事件が発覚した。
警察の調べに対し、佐藤容疑者は容疑を認め、「様子を見に行った時に手足を動かしていたので大丈夫だと思った」などと話しているという。


テレビ報道によると、容疑者は日ごろパチンコをしないそうで、考え事をするためにパチンコ店に入り、子供を車内に3時間ほど放置したそうです。警察庁は昨年、乳幼児を連れて車で訪れた客に駐車場への入場を断るよう求める文書を業界団体に配布していますし、これまでにもP店の駐卓場において乳幼児の車内放置による死亡事故が多発、「のめりこみ」とともに一部社会問題化していて、警察庁の指導でも本年度の最重点取り組みのひとつとして、ことあるごとに発表されています。
当該店舗では巡回見回りをちゃんと行っていたとのことですが、車に置き去りにされた子どもを発見出来ないのでは意味がありません.たしかに乳幼児を真夏の駐車場の車内に置き去りにする親が一番悪いことは間違いありません。
駐車場内の1時間に1回程度の巡回見回りは、ゴト師対策上からもその他車上荒らし等の防犯上からも非常に重要な事項です。いまは駐車場を要するほとんどのホールが実行していて、中には託児所を設けているホール企業もあるほどです。
その巡同中のひとっの事項として、車内に乳幼児が置き去りになっていないか等を注意することで今同のような事件はかなり減るはずです。今同もこれがしっかり実行されていたら、助かっていたかも知れません。時々「ホールスタッフが少ないから巡回ができない」という声も聞こえますが、それは正直矛盾している答えだと思います。絶対にこのような事故は二度と起こらないような取り組みをすべきです。
ただ、あるホールスタッフの方から聞いた話ですが、巡同中に車内に乳幼児が置き去りにされていることを発見したため、ホールマイクで車のプレートナンバーを放送してお客様にきてもらったところ、ものすごい形相でカウンターに来て「そんなことわかっている、いちいちうるさいUと、逆切れされたこともあったそうですから、ご注意下さい。やはり、水際で入場を断っておく方が無難のようです。

さて、先月号では編集部の要望から数あるゴト事例の中で、

・過去で最も被害が大きかったゴト。
・それは何故か?過去で最も対策に手こずったゴト。
 もしくは、手口を限定するのに手こずったゴト。
・それは何故か?

というテーマで書いてみましたが、到底紹介しきれていないので今月号でもその続きを少々記載してみます。

ゲームセンターでゴトの練習

先月号では、現時点においても対処に苦戦している電波ゴトを取り上げ、その第一号の機種として初代「ギンギラパラダイス(以下ギンパラ)」を当てはめましたが、この機種はスタートセンサーの交換により平静を取り戻しました。しかし、電波ゴトはここからがスタートと言っても過言ではないくらい、その後様々な機種がこの手口の標的になりました。
まずはそのあくる年の1月、今度はこれまた全国何処のホールにも設置されていた「CRモンスターハウス」が電波ゴトのうわさが流れ出し、すぐに現実であることが判明しました。「ギンパラ」の電波発射機は800MHzから1000MHzぐらいでしたが、「CRモンスターハウス」は144MHzという、非常に低い周波数でした。
ちなみにこの機種は電波ゴトだけではなく、6月号でも紹介した梁山泊グループよる”人間体感器打ち”の標的にもなり、これには全国のホールが苦慮しています。

大きな被害にあった遊技機には共通の特徴が存在します。
それは当たり前のことですが、全国的にヒットした機種です。一説には2万台以上売れた機種が第一の標的と言われていますが、それはいろんな意味があります。
まず、日本全国何処の土地のP店でも同じゴトができること、次にゴト部材を作るのに同じもののコピーを作ればいいので量産ができコストが下がること、どこにでもあるのでゴト手口の練習がしやすいこと等々です。
ただし、さほどヒットしなかった機種はゴトはできない、或いはやらないと言うことではありませんので、ご注意ください。

以前も「ナビタ」という攻略器具で紹介した4号機の「吉宗」ですが、この機種は全国的な大ヒットした分、ゴト手口も実に多彩でした。遊技機だけでなく周辺機器でも時々取り付けられる、「ぶら下がり」或いは「ぶら下げ」と呼ばれるゴト器具がありますが、この「吉宗」の場合、わかっているだけで12種類の「ぶら下がり」ゴト器具が発見されています。
当時、弊社もそのゴト器具のほとんどを入手していて、そのとき何回か開催したゴト対策セミナーにおける実演コーナーで、そのうちの7個〜8個を始まる前の仕込んでおき、参加者にそれを発見してもらう、という企画を何回か行いましたが、仕込んだゴト部材全てが発見されることは一度も無く、7個〜8個中5個ぐらいの発見が最高でした。奇妙なことにこの吉宗のゴト手口で存在しなかったのがなんと定番の裏ロムです。
考えてみると不、思議な感じですが、ゴトの手数が多すぎて両倒な裏ロムなど手を出す必要が無かったのかも知れません。ちなみにこの当時、大手のゲームセンターにも「吉宗」が多数導入されていましたが、ゴト師はここでしっかりと練習した(ゴトの)ということです。

大量に売れ残った裏ロム

裏ロムが出ましたので、ちょっと視点を少し変えて話と進めたいと思います。今まではホール側だけのゴト被害の話題でしたが、ホール側に加えてゴト師側がかなり損をした事例を紹介します。ずいぶん前に「CRアレジン」という機種が発売されたことがありますが、この機種は旧アレジンの爆発的な思いいれもあり発売前からかなりの話題になりました。
しかし残念ながら、新規導入後は散々で1週間もしないうちに客が飛んでしまったのですが、これはホール側だけでなくゴト師側にとっても痛い誤算だったのです。この機種は設置1週問で裏ロムが発見されていますが、ゴト師グループと繋がっていると思われる某所からの情報によると、(ゴト師側も)大ヒットするものと読んで準備した大量の裏ロムが全てパーになりで大損害をこうむったということでした。ある意味ヒットしなくて良かったのかも知れませんね。
なお、今回過去の2メーカーの2機種をたまたま取り.ヒげましたが、当時は大なり小なりであったわけです。現在はこの2メーカーを含む全メーカーがセキュリティーに力を入れていて、この当時とは比較にならないほど強固になっている、ということを付け加えておきます。

さて、私の連載も丸1年を向かえましたが、ちょうど切のよい節目ですので今号でいったんお休みをいただきたいと考えています。ここまで続けてこられたのも、本誌編集部の方や弊祉スタッフ等大勢の方々に支えられたからですが、なんと言ってもつまらない文章を我慢して読んでいただいた皆さんがあったからです。
ありがとうございました。心から感謝申し上げます。

■南光国昭■
パチンコパチスロ産業界で、数少ないゴト対策の専門家として多方面で活躍している。株式会社コスモローム研究所相談役、日遊協近畿支部セキュリティー部会顧問、日遊協不正対策勉強会講師。