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セキュリティー温故知新 (2月号)

ゴト撲滅には業界全体がすべての垣根を取り払って協力し合うべき

横行するサンドゴト

このところほとんど毎朝0度前後の寒い日が続いていますが、お変わりはありませんか?かかりつけの医者に聞いた話ですが、今冬もまたきついインフルエンザが流行しているとのことです。先日、予防注射を打っていなかった方がインフルエンザにかかってしまったところ、肺があっという間に真っ白くなってしまい現在危篤状態だそうです。予防注射が効くまでは3週間かかかるそうですが必ず受けてくださいね。

さて今月は、5〜6人で徒党を組み全国をまたにかけて荒らしまわっている、サンドゴト集団とその手口を取り上げますが、以下はこのゴト集団でのゴト行為と断定できる4事例です。

同一グループによるサンドゴト事例1
(ネットから)

◆発生日:10月19日 発生地域:愛知県
◆対象サンド:メーカー名 Daiichi   型式 CSD-2
◆ゴト手口:サンドメダル払い出しゴト
(基板をショートさせ、強制的にホッパー内のメダルを払い出させる)
◆被害額:不明
◆ゴト師人数:5名(メンバー5名全員が写真付き)
◆その他:このページにはその他埼玉県、神奈川県、鹿児島県等からの事例報告が掲載されている。


同一グループによるサンドゴト事例2

◆ゴト発生日時:11月10日
◆ゴト発生地域:大阪府大東市A店
◆対象サンド及びゴト手口:事例1と同じ
◆被害額:メダ2,818枚 約 ¥50,300=※閉店後の誤差玉(-2,762枚)異常で発覚
◆ゴト師人数:5名(メンバー5名全員が写真付き)
◆その他:なお、この事例は警察に被害届を出していない。


同一グループによるサンドゴト事例3
(A-NET掲載)

◆発生日:11月30日
◆発生地域:山梨県
◆対象サンド:日本ゲームカード製「BLICZMC」・「EG MC」
◆ゴト手口:ピアノ線のようなものでのカウントセンサー数値飛ばし
(ショートではない)
◆被害額:メダル約900枚(395枚×2回)
◆ゴト師人数:5名(メンバー5名全員が写真付き)


同一グループによるサンドゴト事例4

◆発生日:12月11日
◆発生地域:大阪
◆対象サンド及びゴト手口:事例3と同じ
◆被害額:なし
◆ゴト師人数:5名(メンバー5名全員が写真付き)
◆その他:このホール以外に2店舗ある系列店には、約1ヶ月前にも来店していて被害にあっていたことから、そのときのビデオ映像による顔写真を社員専用室に貼り付けていたため、来店後すぐに気が付き警察と協力して交換役を逮捕できた。ただ、残念ながら立件までは至っていないようだ。




番外編 サンドゴト事例5
(A-NET掲載)

◆発生日:10月12日
◆発生地域:群馬県
◆対象サンド:日本ゲームカード社メダル貸機(BLICZ&EGタイプ)
◆状況:犯人5名、セット役・壁役・交換役に別れて犯行
この事例は映っていたメンバーこそ違え、5人組でやる手口も先述した4件に関わった5人組とほとんど共通している。大阪で捕まったゴト師が言った「同じゴト手口を実行でいるものが100人いる」中の別グループか?


ところで、事例4は逮捕したゴト師の拘留期限ぎりぎりにF警察署から弊社に協力依頼があり、資料提供や閉店後のゴト手口検証等の協力をしているので、ここではそれを少し記載します。

特定されないサイドゴトの手口

まずは、担当刑事さんが教えてくれた話です。彼は肝心な手口についての供述は一切しないが、世間話にはどんどん乗ってくる。その彼が言うに「口を割れば対策をされてしまうから他のゴト師仲間に迷惑がかかる。われわれの実行しているゴト手口は魔法の手口だが、総勢で100人程いるすべての仲間が同じ事を実行できる。今回俺は交換役をしたが当然同じことをできる。できないものは仲間にしてくれない。われわれは組織ではなく、皆ばらばらに住んでいて、必要なときにメール等で連絡を取り合い5~6人が組んで実行する。どうせ手口はばれっこないから、拘留期限(12月28日)が切れれば出られるので、そしたらまたゴトをやるだけだ。いずれにしてもどれだけ対策してもゴトは絶対にできる」というようなことをしゃべっていたそうです。
実地検証と結果
実地検証を早めにやりたかったですが、こちら側のスケジュールの都合で12月26日の深夜(正確には12月27日午前0:30=サンドの当日データ吸い上げ終了後)から27日未明までの4時間半ほどの間に、F警察署4名の刑事と弊社3名の協力で実地検証を実施しました。

検証結果としては、ゴト行為された全サンドのホッパーセンサー付近に独特のキズが付いていたため、まずはそのキズがなぜ付くのか?の検証ため、思いつくテストを繰り返したところ、概ねこういう手口であろう、という感触を得ることができました。ただ、ゴト器具が発見されていないため、そこまでの侵入経路等については断定できていない。サンドはホールの通信システムに接続しないと稼動しないため、サンド単体の外部テストができないことから、手口の完全解明がかなり難しいわけです。

「ゴト撲滅」のためには業界全体が団結すべき

今月のまとめでは逮捕されたゴト師の話の続きを掲載します。「コインサンドを狙う理由は、どのメーカーもホッパーセンサー付近の構造は昔からほとんど変わらないからだ。この日本ゲームカード製サンドは2005年に発売されているが、ゴト行為はその年から実行している。また1メーカー或いは1機種だけでなく、他の機種もできる」と豪語していますが、実際に日本金銭製「I-REX」も被害にあっています。また場合によってはクレマンゴトもやるようです。
最後に私の感想です。ゴト師をせっかく逮捕しても、立件できずに拘留期限が切れると「出たらまたゴトをやる」と言っている者を放さなくてはならないわけです。このゴト師には「仲間だけでも100人いて、好きなときにゴトをやる」とまで宣言されていて、実際に日本全国でゴト行為を繰り返しているわけです。裏返せば「ゴト師がいかに業界をなめきっているか」という以外の何ものでもありません。
「ゴト撲滅」という掛け声だけではゴトはなくなりません。そのためには「業界全体がすべての垣根を取り払って協力し合う」ということが大前提でないか、と考えるのは私だけなのでしょうか?


■南光国昭■
パチンコパチスロ産業界で、数少ないゴト対策の専門家として多方面で活躍している。株式会社コスモローム研究所相談役、日遊協近畿支部セキュリティー部会顧問、日遊協不正対策勉強会講師。