ホーム > 特集・メディア > _2009年12月

ゴトと闘う (_2009年12月)

急速に小型化した電磁波発射機 他のゴトと併用されると厄介に

月日の経つのは本当に早いもの で、外は木枯らしが吹く季節とな り、師走を迎え忘年会シーズンの 到来です。私もそれなりのお付き 合いがある関係上、忘年会のお誘 いがすでに何件か入っており、キ ライなほうではないため飲みすぎ に注意というところですが。本年 はいつもの年と違いずっと懸念さ れていた新型インフルエンザがこ れから大流行すると言われており、 皆さんもどうか体調管理にはくれ ぐれもご注意ください。

 このぺージでも時々ご報告して きました、全国横断日遊協主催「不 正対策勉強会」の最終6回目とな る広島(中国・四国支部)会場で の開催も、去る10月器日に無事終 了することができました。予定人 数を大幅に超え、なんと350名 ほどの方がご参加され、まさにう れしい悲鳴でした。お手伝いをし ていただいた方を含むすべての関 係者の方々大変ご苦労様でした。 10か月間本当にありがとうござい ました

 さて今月号は本年のまとめ号と いうことでもありますので、いつ もとは少し趣向を変え最近のゴト 事情からスタートしたいと思いま すが、その前に前述した「不正対 策勉強会」のトップとなった3月 の東京開催時で紹介した主なゴト 手口を振り返って、移り変わりを 比較してみたいと思います。この 3月の時点においては、以前から うわさされていたパチンコ遊技機 に対する電磁波ゴトの登場です。 ただ、この時点においてはまだサ ンドにおいての電磁波ゴトの報告 はありませんでした。またスロッ トにおいては、相変わらずセレク タにおけるクレマンやコイン戻し 等のゴト手口でした。その他にも アナログ的なゴト手口も相当あり ました。それではごく最近の情報 に戻ります。

検証不完全でも 早く情報を流すほうが 有効な場合が多い

 弊社は会員の方にメルマガによ る最新情報を流していますが、今 回はその中の何例かをご紹介した いと思います。ただし、このメル マガ情報は信愚性についてはほぼ 問違いないものでありながらも、 弊社が会員の皆様にいち早く流し ていて注意を促すための情報であ るため、いまの時点においてはき ちんとした検証ができていないも のも含んでいることを先にお断り しておきます。

 私どもが講演した不正対策勉強 会に参加された方ならお分かりい ただけると思いますが、弊社の場 合、ゴト手口を解明し、見る方が できる限りわかりやすく検証した ものを動画等にして講演などで流 しています。当然、ゴト器具の入 手がなくては確実なものを作るこ とは不可能であり、出来上がるま でのプロセスは相当な時間や人手 がかかるわけですが、これらは弊 社にとって最強の協力会社M社が 全面的にバックアップしてくれて いるためにいいものが出来上がっ ているのです。

 以前までは、混乱をさけるため に確実な情報だけをお届けした時 代もあったのですが、前述しまし たように手口を完全解明してから 流すのでは、かなりの時問が経過 してしまうという欠点もありまし た。そのため、逆に顧客の方から 「もちろん、検証が出来た正しい 情報がほしいのは山々だが、何ら かの誤差玉や不審な差玉等があっ た場合や、ホールの中に不審な動 きをしている者がいた場合に、例 え不確実と思える情報であっても 少なくとも警戒することは出来る ので、知らないより知っていたほ うがいろんな意味でずっとプラス になる。いまわかっている情報で いいのでぜひ流してほしい。万一、 間違っているとしたら訂正してく れればよいではないか」などの強 い要望が多く寄せられたことがき っかけとなって、各ホールからの 不審情報が弊社に入ったときには いち早くメルマガ発信をすること になったのです。また、元々私は 業界紙の連載やセミナーの講演の 中などで皆さんに「いままでうわ さに上がったゴト手口はほとんど が実現している」ということを述 べてもいますので、それらを踏ま え「例え不確定であってもより早 くお伝えしなくては情報にならな い」と思い直してみたのです。実 際のところ顧客には喜ばれていて、 この情報によって被害を防いだこ となども何回かありました。前置 きが長くなってしまいましたが、 最近流した情報の中で特に目立っ たものをピックアップして、日付 通りの順番で原文のままを以下に 記載します。

新たなクレマンか 一二洋スロット全機種に 注意が必要

 まずは9月器日に流した「超小 型電磁波発射機」です。「あとを 絶たないメダルサンドでの電磁波 ゴトです。下写真(写真1"現物 の入手が出来ていないため画像が 鮮明でないかもわかりません)の ようなタバコの空箱に入るような サイズの発射機が出回っ ております。ご注意下さい」 という内容です。解説し ますと、メダルサンドで の電磁波ゴトが多数発生 していて多大な被害が出 ています。われわれも前々 から予測していましたと おり電磁波ゴトに使用さ れている発射機が、以前 のものとは比較にならな いほど超小型化されてきて実際に 使われています。という内容です が、写真のように当初のタイプ(写 真2"これまでの電磁波発射機) と比べるとかなり小型になってき ています。

 次に10月7日に流したもので「オ ーイズミ電磁波ゴト」です。「オ ーイズミ社製メダルサンドPM1 900やPM-90にて電磁波によ る過剰払出しゴトが増加しており ます。ホッパーのコイン払出し口 には下写真(写真3"オーイズミ サンドセンサー)のような、通過 センサーが採用されており、約5 00KHzの電磁波に作用します。 グローリー用の電磁波(約1・1 MHz)とは別のものです。ご注 意下さい。」という内容です。 10月20日には「三洋で誤差コイ ン」でした。この時点においては 残念ながら詳細な検証ができてい ない情報です。

 「三洋のスロット機『アタック No・1』にて約3000枚の誤 差コインが発生する被害事例が確 認されております。状況にてコイ ン還元かクレマンゴト(写真4" クレマン)の可能性があり現在調 査中です。三洋スロット台全機種 にて今後の動向に注意して下さい」 の内容です。

力づくでなくても 磁石など使えば 複合型になる電磁波

 10月器日は「サミー・銀座電 磁波ゴト?」という題名です。サ ミーの「CR北斗の拳」で上皿付 近から何らかの器具を挿入し、過 剰払出しを誘発するゴト行為が確 認されております。閉店後に5万 発もの誤差玉が発生したので「リ フティング」による過剰入賞ゴト ではなく、新手の電磁波による手 口の可能性が高いと思われます。 この情報も現時点におきましては 手口の完全解明はできていません。 ところで、このリフテイングゴト を知らない方もあると思いますの で、ひとつの手口を例に取り説明 します。まず、パチンコ遊技台の 本体と裏パックの間になにかをカ マシて無理やりにわずかな隙間を 作り出します。次に上皿からピア ノ線等を差込んでピアノ線先を賞 球センサーの真下まで持って行き 入賞した玉を止めます。その後そ のピアノ線を上下することで玉も 上下するためにセンサーが反応し て賞球玉が得られるのです。この 状態を作り上げておいて電磁波を 発射する複合ゴトを実行された場 合、賞球玉は出っぱなしになって しまうのですが、なにもセルやピ アノ線を無理やり差し込んでから の行為だけでなく、盤面に磁石を 当ててセンサー内で玉止めした状 態(写真5)を作り出し、電磁波 を発射するということも可能です。 非常に厄介で怖いゴト手口なので あり、今後はこの手のゴト手口が 増えることが思われます。

 10月28日は、ニューギンの現行 枠で賞球ケース内に不正ハーネス (写真6)が混入されている事例 がありました。稼動前(中古台) に発見できた為に実被害はありま せん。不正ハーネスの機能に関し ては現在調査中ですが、無承認構 造変更である事は間違いありませ ん、ご注意下さい。

 11月14日に「大一電機のメダル サンドゴト」を流しました。大一 電機のメダルサンドにて電磁波に よるゴト被害が全国的に頻発して おります。型式名「CSD2」に 被害が集中しており、詳細は現在 調査中です。という内容ですが、 グローリー・オーイズミ等に加え この大一電気社製のメダルサンド も被害に遭いだしました。

 3月のときに比べると元になる 手口はさほど変化はありませんが、 どんどん発展進化していることが いることがわかります。

120回目迎えた 近畿セ部会も最初は パソコン勉強でした

 最新情報はこのくらいにして、 本誌に「ゴトと闘う」という題名 のぺージを書き始めた第1回目の 頃にはまだサクラも開花していま せんでした。当初は4〜5回で終 了する予定でしたがいつの間にか 9回目の12月号となっています。 その最初の原稿で自己紹介をした ときに現在私が部会長を勤めてい る日遊協近畿支部セキュリテイー 部会(以後セ部会)のことを少し だけ紹介しましたが、この部会は 近畿支部が独自に立ち上げ10年以 上も続いている長寿部会でもあり ます。現在もなお現場の責任者の 方々を中心に毎回15名から20名ほ どが集まって会議を継続しており、 時々現場にも出向いてゴトやセキ ュリティーに関するいろんなこと を調査研究しながらレポートにま とめ、毎年4月に開催される近畿 支部の総会など で発表している 部会でもありま すので、今回は このセ部会のこ とをもう少し詳 しくご紹介した いと思います。

このセ部会は 第1回目の開催 が平成10年10月 15日ですから、 来年はなんと12 年目を迎えるこ とになりますが、正直なところこ こまで継続できるとは全く思って いませんでした。会議はほぼ一月 毎の割合で定期的に開催されてい て、この12月1日に開催される部 会が第120回目となります。実 は昨年100回記念をやろうと思 っていたのですが、7月に近畿支 部の事務方であった福永浩氏がご 病気でお亡くなりになるという不 幸があって、その前後の半年ほど 休会状態となってしまったため実 現しませんでした。その後幅井章 支部長や國澤良幸事務局長等から 支援を頂き活動再開が実現したの ですが、切りのよいこの12月に開 催される120回目を記念部会と することに決定したのです。

 ところでせっかくですので記念 すべき第1回目の主なレジメ内容 を記載しますと、その時点におい てはパソコンを持っている人が半 数程度でしたので「まずは全員が パソコンを所持しそこで情報管理 をやりましょう」という決定があ り、それから数回は連絡のための アドレス取得やIDパスワードの 取り決め等に、部会員全員が真剣 な思いでパソコンヘ取り組みまし た。

 第10回目の部会のときに、当時 の部会長であった現弊社の取締役 会長(現職の整形外科医)である 松波義文より、「レントゲン検査 による新検査法について」という 内容が発表、レポート化され、そ の後、FTN(不正対策ネットワー ク)等の会合においても発表したの ですが当時大反響を呼びました。

 第14回(平成11年10月)にはな ぜか今日この頃とよく似た状況で、 電波ゴトが猛威を振るっていてパ チンコ・スロットに関わらず様々 な遊技機がターゲットになってい ました。そのため、10社以上のセ キュリティi会社が電波感知器を 販売していたことから、これらの 電波感知器の感知能力のテストを セキュリティー部会で実行しまし た。このテストはまず泉佐野にあ る産業試験場で数値的な試験を実 施した後、実際のホールの遊技機 に感知機を取りつけてテストを実 行しました(なお、テストで使用 したホールは全てのシャッターを 閉め切り、電波が外に漏れない環 境にして行っています)が、これ もレポートにしています。

 その他にも、ゴト(不正)に対す る法的対策レポート等多数ありま す。いまはその当時のメンバーと しては和歌山の森川弘基氏と私だ けになっていますが、現在のメン バーも自社における配置換え等の 都合から時々換わりながらも、そ のときの参加者全員が真剣に新し い課題を見つけ取り組んでいます。 どうか今後とも応援のほどよろし くお願いいたします。

■南光国昭■
パチンコパチスロ産業界で、数少ないゴト対策の専門家として多方面で活躍している。株式会社コスモローム研究所相談役、日遊協近畿支部セキュリティー部会顧問、日遊協不正対策勉強会講師。