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ゴトと闘う (_2009年5月)

新電波ゴトは3通りあるスタートセンサーを狙う手口も

皆さん、こんにちは!この「ゴ トと闘う」も早くも第2回となり ます。 ところで、前回紹介しましたと おり、去る3月お日東京で日遊協 主催による不正対策勉強会をやら せていただきました.、総勢320 名ほど集まっていただきましたが、 参加者のほとんどの方が最後まで 真剣に聞いていただきました。本 当にありがとうございます。 次は5月B日福岡です。九州の 皆さん、どうぞお手柔らかにお願 いいたします。

ゴトの本質というのは執念深いアラ探し

さて、前号ではミルキーバーの 中継基板ゴトを発見した顛末等を 書きました。今回はそのミルキー バーの一件があった時期より更に 遡ること7〜8か月ぐらい前のこ とですが、当時、私が店長を勤め ていたホールにも早々と現れ、被 害を受けたギンギラパラダイス(以 下ギンパラ)の電波ゴトについて の詳細を先に書くつもりです。・ でした。えっ、またそんな古いゴ トの話?そんなの少しも面白くな いなあ。新しいゴト事例(手口) を教えてよーらて、思っている方 もいるかも知れません。たしかに、 ミルキーバーもギンパラのゴトも 古い話であることは間違いありま せん。

ところで、面白くないと思って いる方も、また、面白いと思って くれた方も含めて、ゴトの本質っ てこと考えたことがありますか? まず、わかっていることは、間違 いなくどろぼう行為ですーそして イカサマです。その他、いろいろ あると思います。

ではその手口はどうでしょうか? ひと言で云うと、大いなるアラ探 しであり、そして弱いものいじめ なのです。彼ら(ゴト師たち)は ホール内外にある遊技機や周辺機 器類のわずかなアラ、つまり欠点 や弱点等を確実に見つけ出し、そ れを形にしてゴト手口にするわけ です。それはまるで意地悪な姑(い まはいないのかな?)が、重箱の 隅をつつき汚れをさがしだすよう な執拗で執念深いやり方です。

過去のゴト事例の正確な把握が必要です

前述のように、ゴトをする側が 執念深く欠点を探し出してきてい る分ですから、守る側もそれ相応 の覚悟を決める必要があるわけで す。例えば、ホールでなにかのゴ トが発生して、またはそのような 情報を入手した場合、大抵のホー ルではそのためのゴト対策の実行 を思い立ちますが、.まずはなにを やられているのかということの具 体的な詳細を知ることが非常に重 要となります。そうでなくては対 策の施しようがありません。単に 風聞だけとかの情報だけで(対策 を)実行してしまうと、何のため に対策をしているのか?まったく わからなくなってしまいます。ま してや、遊技機への後付の対策は 当然ながら所轄署への届出が必要 ですので、慎重に実行しなくては なりません。ところがです。われ われがホールに入らせてもらい遊 技台の裏側を拝見させていただく と、時々ですが、変なものが貼っ てあったり、おかしな機器類が付 いていたりと、わけのわからないも のがついている場合が結構ありま す。店長さんなどに何のための対 策ですか?と伺っても曖昧な答え が返るだけということがたまにあ ります。つまり、不必要な対策を実 行し、逆に、絶対に必要な対策がで きていないというような的外れな ことが現実に起こっているのです。 そこで、こういうことにならない ためにも、いまホールが経験して いるゴト事例(手口)は、過去に 経験したゴト手口の焼き直しがほ とんどであるということをわかっ てほしいのです。彼ら(ゴト師) はその手口に磨きをかけ、すこし だけ形を変えて実行しているだけ なのです、磁石ゴト等のように過 去のゴト手口がそのまま残ってい る場合さえあるわけです。という ことは、過去のゴト事例(手口) を洗い出してゴト行為の詳細等を きちん把握することで、かなりの ゴト対策が出来上がることになり ます。ホールを守るためのーつの 準備としまして、過去に起きた同 じゴト手口では二度とやられない、 ということに最大の注意を払うと 相当な効果が期待できるというこ となのです。

私はセミナーや雑誌の連載など において、過去のゴト手口をしっ かり見つめ直すと、現在おきてい る、あるいはこれからおきる新し いゴト手口に対して、かなり楽に 対応できますよ、ということを繰 り返しお伝えしています。ちなみ に、これから話すことはまさに過 去のゴト手口の繰り返しの見本み たいなものです。

電波と電磁波の理解を間違う人がいます

冒頭で、ギンパラの電波ゴトを 先にと書きましたが、この「ゴト と戦う」の最初の原稿を書き始め ようとした時期に、パチンコ遊技 機の通過型センサーを狙った新た な電波ゴト (以下、新電波ゴト)事例が発生し出し業界をかなり騒々しく しています。本当はギンパラの電波 ゴトからの後々様々 な機種等の電波ゴ トにつながってい きましたので、そこらへんを今回のテーマにしたかったのですが、皆さん は最新ゴトである、 この新電波ゴトの 詳細を先に知りた いはずと思います ので、まずはこち らを先に取り上げ ることにしました。

ところで、この新電波ゴトは 電波ではなく電磁波でのゴトだ などと、言っている方が時々いま すが、「電波読本」(電波開発利用 研究会編)という本によると、電 波の正体をひと言で答えることは 難しPという前書きのあとに、 電波については「電波法」とい う法律の中で「『電波』とは30 0万メガヘルツ以下の周波数の電 磁波をいう。」(電波法第2条1) と、解説した後、6まり、電波 とは「電磁波」の一種であると 言っています。それでは電磁波と はなにか?いうと、高校の教科書 などに電磁波とは「電界と磁界 を有する波」であり、私たちの周 りに当たり前のように存在する空 気と同じく、極めて自然なエネル ギーで、「光」や「X線」「γ線」 なども、電磁波の一種です"と締 めています。

あまり目くじら立てることでは ないかも知れませんが、この本に よると電波と電磁波を分けること は出来ないことになります。この 本は、電波についてとてもわかり やすく解説してあり非常に勉強に なりますので、みなさんもぜひ1 冊購入して読んでみてはいかがで しょうか?

賞球センサーを狙って入賞と玉貸しの2通り

さて、この新電波ゴトで意外と 知られていないことですがありま す。それは賞球センサ}を狙った ゴト手口だけと思っている方が大 半なのですが、実はこれとは別に、 同じオムロン製であるスタートセ ンサーを狙うことが可能で、手口 としては3通りのゴトが可能なの です。

賞球ケース内のセンサーの場合 は、入賞と玉貸しの両方に使われ ているため、2通りのゴトができ ることになります。そのーつは、 パチンコ台左側にある入賞口に玉 が入るタイミングに合わせ、電波 を発射して誤作動させると、通常 は15個の払い出し玉ですが、だら だらとその2倍から5倍くらいの 玉が払い出されます。実験では機 種によつて違いますが、最大冗個 前後ぐらい払いだされる場合があ りました。2つ目は、玉貸し(5 00円髄125個)時に貸し玉ボ タンを押すタイミングに合わせて 電波を発射するのですが、これも 3倍から5倍程度の玉が払い出さ れます。実験では、最大650個 強が払い出された場合がありまし た。

ところで、この賞球ケース内セ ンサーを狙った電波ゴト事例はい まに始まったことではありません。 1年ほど前になりますが、AlN ET等にも時々事例として上がっ ていたセルタイプのパワーアップ バージョンです。


保留玉の増加数は条件で変わってしまう

スタートセンサーを狙う場合は、 当然盤面中央のスタートセンサーに 向けて電波を発射(玉の通過時)す るのですが、なぜか電波発射機の 配線を付け替えて実行します。狙 いは4つあるスタート保留玉の増 加ですが、これも非常に不規則で ちょつとしたタイミングや角度に よって、2個付いたり、4個とも 付いたりします。

先ほど、多くの方が賞球センサ ーを狙った使い方だけと思ってい ると言いましたが、半月ほど前に 私が住む大阪のH市の某店で捕ま えたゴト師は、あとの保留玉の増 加を狙ったゴト師でした。このホ }ルは当然所轄署を呼んで対応し たので、当然ながら電波発射機も 証拠品として押収しましたが、そ の発射機はすぐにH警察署の刑事 課の方から鑑定のため弊社に届き ました。そのときに、刑事さんが言 っていたのですが、その被疑者が売 人から電波発射機を買ったとき教 えられたのは、保留玉の増加ゴト だけで賞球を増やすゴト手口は教 えてもらってなかったということで した。

電波発射機の力は非常に不安定なもの

皆さんもご存知のとおり、先日、 今回の電波ゴトで特にメーカーと して狙われているゴ、一共・ビステイ から、電波ゴトに対する発表があ りました。内容は、同メーカー遊 技機の裏側右上部に常設されてい るア1ス線を、確実に島内のアー スに接続することで電波ゴトがや りにくくなるということでした。 メーカー発表を否定するつもりは ありませんが、2つ のセンサ『と3種類 のゴト手口が可能で あるということを知 っての発表だったの かはなはだ疑問です。 弊社では先ほどの 警察からの預り品を 含む、3台の電波発 射機を使ってあるホ ールをお借りして調 査しましたが、残念な がら「ア甚スの有粧e での変化はほとんど なかったと思われる、ということ をご報告しておきます。思われる、 と記載しましたのには以下の理由 があるからです。

たしか7年ほど前になると思う のですが、電波ゴト手口が大流行 したときがありました。その時期 に、日遊協近畿支部セキュリティ ー部会の主催のもと、電波発射機 ゴトに対してホールが購入して設 置する電波感知器の感度等を調査 したのです。不公平がないように と、知る限りの電波感知器を発売 している会社に声を掛けましたの で、けっこう大掛かりな実験とな りました。電波発射機の入手に苦 労しましたが、それでも、実際の ゴト器具を3〜4台集め様々なテ ストを繰り返しました。

この手の電波発射機は手作りで すので、オシロスコープ等で測っ ても波長が}定でなくギザギザで あったためと、ちょっとした発射 タイミングや距離角度等、或いは 島端や島の真ん中あたり等によっ てゴト(このときはスタートセン サー直撃狙い)が可能であったり、 不可能であったりと非常に不安定 な現象がおきていたことを今でも 記憶しています。

電波ゴトの発祥は電子ライターといわれる

もとより私は、電波の専門家で はありません。しかし、電波ゴト というものはもともと誤作動の世 界なのですから、いずれにせよそ ういう類のものであるのでは?と 思われます。つまり、今回発生し ている電波ゴトについても弊社が 実験した限りでは本当に微妙であ り、アース云々では収まりきれな いのでは?と思います。

ちなみに、電波ゴトの発祥はど ういうことからか、ご存知でしょ うか。もちろん、私が直接経験し たことではなく、ずいぶん前にそ ういう事情に詳しい方から聞いた 話で恐縮なのですが、なんでも電 子ライターが始めて世の中に登場 した頃、それを持って来店した客 がタバコに火を付けようとライタ τを擦ったところ、いきなりデジ タルが回り始めたことからゴトを 思いついた、ということです。た だ、当時はスタートセンサーに電 波が乗っているとは思っでいなか ったらしく、センサーの導線だけ にアルミホイル等でカバーした、 ということでした。

さて、この「新電波ゴト」ですが、 以前流行った、ギンパラやCRモ ンスターハウス、フルーツパッシ ョン、また、オオハナビ等への電 波ゴトとどう違うのでしょうか? と、いうことを考察しようと思っ たのですが、紙面が足りなくなっ てしまいました。このことはまた 次号で取り上げたいと思います。

■南光 国昭■
パチンコパチスロ産業界で、数少ないゴト 対策の専門家として多方面で活躍している 株式会社コスモローム研究所相談役、 日遊協近畿支部セキュリティー部会顧問 日遊協不正対策勉強会講師。